投資信託

インデックスとバランスを競争させるとどうなる?ファンドの手数料を比較するプロジェクト

一般的には、バランスファンドの方がインデックスファンドよりも手数料が高いといわれていますよね。

それもそのはず、バランスファンドには以下のようなメリットがあるので、その対価を求められるのは仕方がありません。

  • 最初から資産配分が決まっている
  • ひとつのファンドで分散投資できる
  • 自動でリバランスが行われる

 

ところが、最近ではインデックスファンドよりも手数料が低いバランスファンドが登場してきました。

意味わかんなくないですか?

運用のプロにお任せする範囲が広いので、本来なら手数料は高くなるはず…。

というわけで今回は、バランスファンドとインデックスファンドを同時に運用してみて、どちらの方がよりパフォーマンスが高いか検証してみます。

 

比較するバランス / インデックスファンド

今回の検証では、以下の2つのファンドを使って、国内外の株式・債券・REITに投資します。

  1. バランスファンド(各資産クラスに間接的に投資)
  2. インデックスファンド(各資産クラスに直接投資)

 

バランスファンド:信託報酬 0.17172%

ひとつ目は、こちらのバランスファンド。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)

  • 購入時手数料 :なし
  • 信託報酬   :0.17172%
  • 信託財産留保額:なし

 

バランスファンドを通して、以下のマザーファンドに投資することになります。

 

資産配分は、それぞれ均等に6分の1ずつ。

 

インデックスファンド:信託報酬 0.19746%

ふたつ目は、以下6つのインデックスファンドを組み合わせた自作のバランスファンド。

実質的には、さきほどのバランスファンドとほぼ同じになります。

購入時手数料と信託財産留保額はすべて「なし」で、信託報酬は以下のとおり。

ファンド信託報酬
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド0.17172%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド0.15012%
<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド0.27000%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド0.11772%
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド0.18360%
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド0.29160%
平均0.19746%

海外REITについては、バランスファンドとインデックスファンドでマザーファンドが異なりますが、該当商品の信託報酬に差がないため比較対象として問題はないと判断します。

 

資産配分についても、バランスファンドと同じように手動で6分の1ずつに調整します。

 


ファンドのパフォーマンスを比較

信託報酬だけでみると、バランスファンドは0.17172%、インデックスファンドは0.19746%となります。

投資対象はほぼ同じなので、シンプルに考えれば手数料の低いバランスファンドの方がよい結果を残すはず。

以下の条件で運用してみて、パフォーマンスを比較してみます。

  • 積立頻度 :月に1回
  • 積立金額 :それぞれ1,000円
  • リバランス:適宜実施

 

1ヵ月目:運用スタート

今回の検証では、楽天証券の積立投信サービスを使うことにしました。

バランスファンドの積立設定はこんな感じ。

 

インデックスファンドの積立設定はこんな感じ。

 

1ヵ月目については、バランスファンドとインデックスファンドでまったく差がありませんでした。

おそらく金額が小さすぎただけで、表向きにはあらわれない1円未満の差は出ていたのではないかと思います。

 

2ヵ月目:早くもパフォーマンスに差が出た

2ヵ月目の積み立てがおわった後、それぞれの時価額を確認してみると早くも差がついていました!

まずはバランスファンド。

元本が2000円で時価額が2,002円なので、損益は+2円となりました。

 

次に、インデックスファンド。

同じく積立額は2,000円で時価額は2,005円なので、損益は+5円

 

バランスファンドとインデックスファンドの投資対象(マザーファンド)はほぼ同じで、手数料は前者の方が低い。

バランスファンドの方が損益のプラスが大きくなるはずですが、いったいどうなっているのでしょうか…。

 

3~5ヵ月目:バランスの全戦全敗

このあたりでインデックスファンドの信託報酬がすこしだけ下がりました。

バランスファンドは0.17172%のまま、インデックスファンドは平均0.19746%から0.183582%へ。

しかし、「バランスファンドの方が手数料が低いのはおかしいのでは?」という趣旨の検証なので、とくに前提条件は変わっていません。

検証を続行します。

 

3ヵ月目、バランスファンドは損益+38円、インデックスファンドは損益+42円。

 

4ヵ月目、バランスファンドは損益+15円、インデックスファンドは損益+20円。

 

5ヵ月目、バランスファンドは損益+160円、インデックスファンドは損益+170円。

 

手数料の低いバランスファンドは、今のところ負けっぱなしですね。

決算まで続けて逆転しなければ、それ以降も変わることはないのではないかと思います。

 

バランスファンドの隠れコストとは?

購入時手数料と信託財産留保額はどちらもゼロで、信託報酬はインデックスよりもバランスの方が低い。

それにもかかわらずバランスの方がパフォーマンスがわるいのは、隠れコストとよばれる手数料が存在するからです。

この隠れコストを含んだ手数料のことを、”実質信託報酬”とよんだりするようです。

 

実質信託報酬をチェックするには、各ファンドの運用報告書(全体版)というめちゃくちゃ堅苦しい書類を開かなければいけません。

というわけで、今回の検証でお世話になっているバランスファンドのものを確認してみましょう。

 

これは昨年度の運用報告書からとってきたものですが、今でもそこまで変わらないかと思います。

予定どおりであれば信託報酬は0.17172%となるところが、なんだかんだで0.312%になっていますね。(赤枠のところ)

上の方にある”信託報酬”だけでも予定をオーバーしているし、”その他費用”とかいうわけわからんやつも加わっています。

 

インデックスファンドにも隠れコストはあるけど、平均するとここまで顕著に増えてはいません。

この隠れコストの大小によって、ファンドのパフォーマンスが逆転していたのでしょうね。

 

まあ…、こういう詐欺みたいなことが投資信託では当たり前のように行われているわけです。

表向きに書いてある信託報酬は参考までにして、運用報告書で”実質信託報酬”をチェックするのが安全ですよ。

あと、インデックスよりもバランスの方が手数料が低いなんていう夢みたいな話はうのみにしないようにね…、っていうお話しでした。