フリーランスSEの税金事情。会社員と比較するとそこまで節税にならない件
「フリーランスになって、経費いっぱい計上して節税するぞ!」
…そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
というわけで今回は、自分の体験をもとにフリーランスの税金事情を共有します。
下記の順番で書きます。
- 実際に計上している経費
- 活用している節税方法
- フリーランスと会社員、どちらの方が節税できるか
(´・ω・`)
ぼく
ちなみに、確定申告は1回済ませましたが、正式に税務調査を受けたわけではありません。この記事は参考程度にお願いします。
【税金について詳しくない方のために補足】
税金は、(1)売上 から (2)経費と(3)所得控除 を引いた"所得"に対して課されます。(2)経費と(3)所得控除が多ければ多いほど、所得が少なくなり、結果的に税金が下がります。
この記事は、どのくらい(2)経費と(3)所得控除を多くできるのか、またフリーランスと会社員で大きな差はあるのか…という趣旨です。
Contents
フリーランスSEの税金事情。会社員と比較するとそこまで節税にならない件
結論からいうと、なにも対策せずにフリーランスになると、会社員よりもたくさんの税金を払うことになると思います。
逆に言うと、会社員は節税の面でそこまで悪くありません。
(´・ω・`)
ぼく
業種や売上によって違うかもしれませんが…。今回は売上800万以下のフリーランスSEを前提として書きます。
所得税の税率は仮で20%にしています。みなさんと前提条件が異なるようであれば、適宜読み替えてください
実際に計上している経費
自分は2020年8月からフリーランスとして活動をはじめ、その年の確定申告を行いました。
実際になにを経費として計上したのか。
結果としてどれくらい節税できたのか。
「意外に少ないな…」という印象になると思いますが、最初にこのあたりを共有します。
下に1ヵ月あたりの経費をまとめました。
- 新聞図書費:13,000円
- 家賃 :1,000円
- 通信費 :980円
- 水道光熱費:920円
- 雑費 :2,600円
- 合計 :18,500円
新聞図書費
Amazonで仕事に必要な本を買ったり、Udemyで動画を観たりしています。
払った金額は、全額経費としています。
「経費になるから…」という理由でお金をどんどん使うと本末転倒なので、セールの期間にまとめ買いし、結果的に思ったほどお金はかかっていません。
地代家賃
自宅の一角を仕事に使っていて、その分だけ計上しています。
計算方法が悩ましい。
その場所はプライベートでも使っているため、単純に面積で求めるのも違和感があり、使用時間も考慮して計算しています。
経費 = (1)家賃総額 × (2)使用面積の割合 × (3)使用時間の割合
(1)家賃総額は、34,680円です。
(2)使用面積の割合は、仕事場の面積(オレンジ)÷ 全体の面積 で計算し、12%としています。
- 面積(全体):336マス
- 面積(仕事):40マス
- 面積割合 :40 ÷ 336 = 12%
(3)使用時間の割合も、仕事時間 ÷ 全体の時間 で計算し、24%としています。
週単位で計算しました。
- 時間(全体):168時間 ※7日間
- 時間(仕事):40時間
- 時間割合 :40 ÷ 168 = 24%
結果的に、経費として計上する家賃を1,000円としています。
34,680円 × 0.12 × 0.24 = 1,000円
仕事だけに使う部屋であれば、時間を考慮せず (1)家賃総額 × (2)使用面積の割合 × (3)使用時間の割合 の計算となり、もうすこし経費を増やせるかもしれません。
…が、これでいいかなと思っています。
そもそも家賃総額がかなり低いので、増やせたとしても誤差の範囲です。
通信費、水道光熱費、雑費
通信費はネット代、水道光熱費は電気代です。
どちらも使用時間の割合で計算しています。
ここまでの経費を合計すると、18,500円(年間222,000円)です。
商品を仕入れる仕事であれば別ですが、プログラマー・SEはあまり仕入れが発生しないため、そこまで経費はかからないと思います。
けっこう少ないですよね。
月あたりの所得を18,500円減らすことになり、18,500円 × 税率20%(仮の税率)= 3,700円で、毎月3,700円(年間44,400円)の節税効果があります。
(´・ω・`)
ぼく
人によっては車を経費にする等、もっと頑張るケースもあるようですが、自分はこんな感じ…
活用している節税方法
経費以外の節税対策としては、フリーランス1本で行くなら下記のように対策すると思います(年間ベース)
所得を230.6万減らせるため、230万円 × 税率20%(仮の税率)= 46万円で、毎年46万円の節税効果があります。
- 青色申告特別控除:65万
- iDeCo :81.6万
- 小規模企業共済 :84万
- 合計 :230.6万
実際には自分は会社員も兼ねているため、iDeCoは上限27.6万、小規模企業共済なしとなりますが、税金の代わりに社会保険料の対策を行っています。
これについては、別の記事でまとめたいと思います。
フリーランスと会社員、どちらの方が節税できるか
ここまで書いた内容をもとに、フリーランスの経費と所得控除をまとめます。
年間ベースです。
経費については、「あくまで自分の場合はこうなった…」という一例です。
- 経費 :22.2万円
- 青色申告特別控除:65万
- iDeCo :81.6万
- 小規模企業共済 :84万
- 合計 :252.8万
ここで強調したいのは、フリーランスは上記のすべてを自分で申請・計上しなければ、経費も所得控除もゼロになるという点です。
特に、青色申告特別控除・iDeCo・小規模企業共済。
簿記や税金、投資の知識が必要になるため、これらを行わない方もいると思いますが、その際は経費のみ計上することになるはずです(所得控除がないので税金が高くなります)
一方で会社員はと言うと、みなし経費のような扱いで給与所得控除があります。
国税庁のサイトにある表をお借りします。
出典:⇒国税庁 No.1410 給与所得控除年収500万の方であれば、給与所得控除は144万となり、税金がかかる所得をグッと下げることができます(年収500万と比べるのが妥当なのか微妙ですが…)
金額だけで比べると、フリーランスの方が100万ほど多いですね。
ただし、実際に節税できる金額は100万ではなく、100万 × 税率20%(仮の税率)= 20万であり、「そこまで大きな差ではないな…」と自分は感じます。
会社員の方がiDeCoなどを活用すると、その差は更に小さくなります。
何より、会社員は何もしなくても給与所得控除の対象となります。
これは大きい。
簿記や税金のことは気にせず、本業に集中することで、いつの間にか勝手に節税できているわけです。
「フリーランスの方が節税しやすいが、手間などを考えると有利とは言いにくい」というのが、いまの自分の意見です。
まとめ
というわけで今回は、フリーランスSEの税金事情について書きました。
まとめます。
すべて自分の体験にもとづく意見で、税金のプロでもないので、あくまで「一般人A」による情報として解釈してください。
- フリーランスSEは意外と経費がかからない
- 各種所得控除なしでは逆に税金が上がる
- 会社員と比較して、大きな差はない
(´・ω・`)
ぼく
読んでいただきありがとうございました。お互いぼちぼちやりましょう