老後資金

年金返せデモが勃発!?年金制度を批判する前に最低限知っておきたいこと2つ

老後にもらえる年金が少なくなると金融庁が発表したことをうけて、ネットではいろんな意見がかわされています。

否定的な意見が目立ちますね!

年金返せデモ(上画像出典:Twitter payitup2019)という抗議活動も行われるようです。

 

表現の自由なので私はこのデモに反対しないけど、年金制度のことをあまり理解せずに批判している人もいるようです。

というわけで今回は、以下の2点をメインに年金制度のキホンを解説したいと思います。

  1. 年金制度は「貯蓄」ではなく「保険」
  2. 老後にもらえる年金がすべてではない

ちなみに私は年金制度をおおむね支持します。改善の余地はあるかもしれないけどね!

 

年金制度は「貯蓄」ではなく「保険」

 

いきなりですが、みなさんに質問です。

次のふたつのうち、年金制度に近いのはどちらだと思いますか?

  1. 銀行口座に貯める預金
  2. 念のために入る保険

 

年金には、「若いうちにお金を積み立てて老後にその分をもらう」というイメージがありますよね。

そのため、①の預金を選んだ人が多いのではないでしょうか。

でも実際には、国民年金保険料や厚生年金保険料といわれるくらいなので、②の保険の方が年金制度に近いんですよ。

 

そもそも保険ってなに?

では、そもそも保険とはどういうものなのでしょうか。

国語辞書で調べてみましょう。

火災・死亡など偶然に発生する①事故によって生じる経済的不安に備えて、多数の者が掛け金を出し合い、それを資金として事故に遭遇した者に一定金額を給付する制度。

出典:goo国語辞書 – 保険

 

↓カンタンに説明するなら↓

「万が一起きたら困ることに対して、たくさんの人がちょっとずつお金を出し合い、万が一のことが起きてしまった人はそのお金をもらえる仕組み」

それが保険です。

 

例えば自動車保険の場合、先ほどの定義に当てはめるとこんな感じになります。

  1. 事故
    自分の不注意で起こした衝突事故など
  2. 経済的不安
    事故によって生じる被害者への賠償責任
  3. 掛け金  
    保険に入るために払う保険料
  4. 給付   
    事故を起こしたときにもらえる保険金

 

事故を起こすと数億円の賠償責任を負うこともありますが、お金の問題に限れば保険金で解決することができます。

事故が起きなかった場合でも、保険料を払った分だけマイナスにはなるものの、「万が一のことが起きても大丈夫」という安心感を得られます。

自動車保険や医療保険では、払い損になっても文句をいう人はいないよね

 

保険に入って損をするのは普通

それでは、国民年金や厚生年金はどうなるか見てみましょう。

  1. 事故   
    長生きすること
  2. 経済的不安
    長生きによって生活費が不足すること
  3. 掛け金  
    国民年金保険料・厚生年金保険料
  4. 給付   
    老齢基礎年金・老齢厚生年金(いわゆる年金)

 

長生きすることは本来よろこばしいことですが、生活費が不足するという経済的不安がありますよね。

そのため、語弊があるような感じはするものの、事故」と表現するのはあながち間違いではありません。

 

そして一番大事なことは、年金制度が保険という仕組みを取っている以上、事故(長生き)にあわなかった人は保険料を払った分だけ損をするということ。

「払った分はしっかりもらえないと困る!」

このような不満を持つことには、とても共感できます。

 

でも、そもそも保険ってすべての人が得するようになっていないんですよ。

損をする人がいるからこそ、事故にあった人を助けることができる。

それが保険というものです。

 


老後にもらえる年金がすべてではない

 

年金制度は長生きという「事故」にそなえる保険であることを説明しましたが、年金をもらえる「事故」はそれだけではありません。

年金制度の柱となっているのは、以下の3つ。

  1. 老齢基礎年金
  2. 障害基礎年金
  3. 遺族基礎年金

 

ここからは、障害と死亡という事故が起きたときにもらえる、障害基礎年金と遺族基礎年金について見ていきましょう。

厚生年金に入っていると、上記に加えて老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金をもらえますが、ここでは説明をはぶきます。

 

障害基礎年金:障害にそなえる年金

病気やケガによって障害を負い、以前と同じように生活や仕事ができなくなったら、みなさんはどうしますか?

民間の保険に入るのもひとつの手ではありますが、実はすべての人がすでに入っている保険があります。

それが、年金制度の中にある「障害基礎年金」

 

障害基礎年金をもらえる病気やケガは、以下のとおり。

うつ病などを含めて幅広くカバーしていますね!

  1. 外部障害
    眼、聴覚、肢体(手足など)の障害など
  2. 精神障害
    統合失調症、うつ病、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など
  3. 内部障害
    呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液・造血器疾患、糖尿病、がんなど

 

また、もらえる年金の額はこんな感じになっています。(平成31年4月時点)

障害の重さ(等級)によってことなりますが、なかなかの金額だと思いませんか?

1等級:780,100円 × 1.25 + 子の加算
2等級:780,100円 + 子の加算

子の加算
・第1子・第2子  224,500円
・第3子以降   74,800円

 

長生きしたときにもらえる老齢基礎年金とちがい、若い人でももらえるのが障害基礎年金の強みとなっています。

これだけもらえたら、生活の負担がかなり軽くなるのは間違いありません。

 

遺族基礎年金:死亡にそなえる年金

次に紹介するのは、遺族基礎年金。

国民年金保険料を払っていた人が亡くなってしまったとき、その人に生計を維持されていた「子供のいる配偶者」「子供」がもらうことができる年金です。

 

もらえる年金の額は、障害基礎年金とほとんど同じ感じ。(平成31年4月時点)

不足する分は生命保険などでまかなう必要がありますが、遺族基礎年金の存在を知っているだけで、かなり安心感が増すのではないでしょうか。

780,100円 + 子の加算

子の加算
・第1子・第2子  224,500円
・第3子以降        74,800円

 

年金返せデモに参加する方へお願い

 

この記事では、年金制度について下記の2点を解説しました。

  • 年金制度は「貯蓄」ではなく「保険」
  • 老後にもらえる年金がすべてではない

 

もし年金制度に反対するのであれば、以上のことをふまえて議論した方がいいのかなと思います。

前提条件がまちがっていると、いくら議論をかさねても前に進まないよ!

 

ちなみに私は、冒頭でお話ししたように年金制度をおおむね支持しています。

年金がもらえる年齢の引き上げや金額の減少なども、仕方がないのではないでしょうか。

 

今の60~70歳くらいの方って、とても元気ですよね。

保険の考え方でいうと、現在の年金制度は「元気な人 = 事故にあっていない人」にまで保険金をわたしているような状況です。

財源が足りなくなるのは、必然ですよね。

 

政府が国民に対して「〇千万円貯めろ」というのは無茶ぶりだと思いますが、少子高齢化が進んでいる中で「今の年金制度を維持しろ」というのも無茶ぶりなのかなと思います。

みなさんは、どう思いますか?



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