【再就職手当】退職前に内定した人が申請するとバレるのか調査しました
「転職先が決まってるんだけど、再就職手当をもらいたい…!」
「内定を隠して申請すると、バレるのかな?」
そんな疑問を解決します。
結論からいうと、ほぼ間違いなくバレるので、再就職手当の申請はやめた方が無難です(気持ちはわかりますが…)
下記について書きます。
自分は再就職手当をもらった経験が2回あり、あいまいな点は会社の人事にも確認しました(信ぴょう性はまあまあ高いです)
- 内定していたことはバレるのか?
→バレる - 内定日を改ざんするのはOK?
→不正受給になる
→転職先の協力が必要 - 不正受給がバレるとどうなる?
→3倍返し
→会社側にもペナルティー
【結論】再就職手当はあきらめた方がいい
「道徳的にやめた方がいい」というそもそも論は、言うまでもないのでバッサリ省略します。
この記事の目的は、法律と手続きに"抜け道"があるかを考察することです。
Contents
【再就職手当】退職前に内定した人が申請するとバレるのか調査しました
まずは原則から解説しますが、退職前に内定していた方は再就職手当をもらえません。
情報元は、下記。
再就職手当をもらうための条件です。
受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと。
出典:⇒厚生労働省 再就職手当のご案内
受給資格決定日は、会社をやめた後、ハローワークに離職票を提出した日です。
時系列でいうと、“退職日 → 受給資格決定日 → 内定日” なら、再就職手当をもらえます。
退職前に内定した方だと、“内定日 → 退職日 → 受給資格決定日” という時系列。
内定日のタイミングがわるいです。
どうがんばっても、再就職手当の支給条件はクリアできません。
内定していたことはバレるのか?
「受給資格決定日のあとに内定したと自己申告したら、もらえるんじゃないの?」
頭の回転が速い方は、そう思うかも。
時系列でいうと、下記みたいな感じ。
内定日(本当)
(本当の内定日は秘密にする)
↓- 退職日
↓ - 受給資格決定日
↓ - 内定日(うそ)
(うその内定日を自己申告)
ぶった切って申し訳ないのですが、無理です。
内定日は自己申告ではないです。
転職先の会社が申告します。
具体的にいうと、再就職手当の支給申請書に「会社側が記入する欄」があって、その中に「内定日」があります。
会社は本当の内定日を書くので、バレます。
左枠は「事業主の証明」、右枠は「採用内定年月日」と書いてあります。
下枠は採用内定年月日の定義で、「申請者を採用すると決めた日又は内定を本人に通知した日」となっています。
内定日を改ざんするのはOK?
それでも再就職手当がほしい場合は、会社側と協力して内定日をいつわる必要があります。
下記のようなイメージ。
(´・ω・`)
自分
再就職手当がほしいので、申請書の内定日を〇月〇日以降(受給資格決定日より後)にしてください
(´-ω-`)
会社の人事
本当はダメだけど、別にいいよ
実体験として、退職したあとに内定が"出そう"な場合は、受給資格決定日のあとに内定を出すよう調整できるかもしれません。
自分は、ハローワークから許可をもらいました。
“退職日 → 受給資格決定日 → 内定日” の時系列になって、支給条件をクリアできます。
そのときの話と具体的な調整方法は、下記のページでくわしく解説しています。
自己責任でお願いします。
⇒再就職手当をもらえる内定日と入社日の調整方法を解説します(実例つき)
その一方で、退職する前に出た内定日を調整するのは、かなり危険です。
不正受給です。
というのも、失業保険は"失業者の転職活動を応援する制度”です。
失業者、かつ転職活動をする人が対象。
退職前に内定が決まっている方は、下記の理由で対象からはずれます。
- 失業者?
→仕事があるので失業者じゃない - 転職活動中?
→すでに終わっている
ハローワークのサイトにも、不正受給の典型例としてバッチリ書いてあります。
典型例ということは、たまにあるんでしょうね。
就職や就労(パートタイマー、アルバイト、派遣就業、試用期間、研修期間、日雇などを含む。)したにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記さず、偽りの申告を行った場合
出典:⇒ハローワーク 不正受給の典型例
不正受給がバレるとどうなる?
「不正受給がバレたらどうなるの…?」って話になりますが、しっぺ返しを食らいます。
しかも、かなり痛いやつ。
再就職手当で30万もらった場合は、返還 + 罰金 で90万となります(3倍返し)
不正行為が行われた場合、その不正行為があった日以降の日について、基本手当等が一切支給されず、不正に受給した基本手当等の相当額(不正受給金額)の返還が命ぜられます。さらに、返還が命ぜられた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付(いわゆる「3倍返し」)が命ぜられることとなります。
出典:⇒ハローワーク 不正受給の典型例
本人だけでなく、会社側にもペナルティーがあります。
下記のとおり。
偽りの届出、報告または証明をすることにより不正受給をほう助または指示した事業主に対しても、不正受給者と連帯して返還及び納付が命じられます。
出典:⇒北海道ハローワーク 不正受給をした場合には
不正受給が見つかったときのペナルティーは、上記だけでなく、ほかにもいろいろあります。
会社の人事にも聞いてみましたが、リスクが大きすぎるので、不正受給の協力はしないとのこと。
こんなやり取りでした。
(´・ω・`)
自分
ほかの会社に在職中の人が面接にきて、内定を出したとしますよね。再就職手当をもらうために「内定日を調整して」とお願いされたら、どう答えますか?
(´-ω-`)
会社の人事
助成金が止まるかもしれないから、断るよ
本音でいうと、期待できそうな人から頼まれたら、協力したくなるとのこと。
ほかの会社に取られたら、残念ですしね。
「それでうちに入社してくれるなら…」みたいな感じで、協力に応じる会社も中にはあるかもしれません(違法ですが)
【結論】再就職手当の審査で内定はバレる
ここまで読んで、「内定もらってたら再就職手当はムリか…」と判断いただけたかと思います。
その方が無難です。
ほぼ間違いなくバレるし、ペナルティーが重すぎます。
「それでも再就職手当がほしい!」という方は、下記の流れで手続きすることになります。
まあ、無理ですね。
- 次の会社から内定をもらう
- いまの会社を退職する
- 離職票をハローワークに提出
→失業者のフリをして - 失業保険の説明会に参加
→失業者のフリをして - 転職活動の実績を報告
→失業者のフリをして - ハローワークに内定を報告
→うその内定日で - 再就職手当の申請書を作成
→うその内定日で - 再就職手当の支給
仮にバレなかったとしても、不正受給が発覚するリスクは、その後の人生でずっと残ります。
やめた方がいいです。