会社員・個人事業主が社会保険料を最大約10万円安くする方法

働けば働くほど社会保険料が上がり、思うように手取りが増えない…。

普通ならそんな仕組みになっていますが、保険料をグッっと下げることに成功したので方法を共有します。

“節約"のレベルではなく、もっと劇的な効果があります。

理論上では、年収1000万の人でも月1.5万くらいに減らせるはずです。

個人的にはメリットの方が大きいと感じていますが、デメリットもあるので、この方法の良し悪しは各自で判断をお願いします。

おそらく、正社員は諦めることになります。

正社員にこだわりがない方であれば、検討の価値は十二分にあると思います。

自分は社会保険の専門家ではないので、情報の正確性は約束できません(間違いがないように努めますが…)

この方法を実行する際は、自己責任でお願いします。

また、給与明細の画像なども載せているので、大っぴらな情報に抵抗がある方は読まない方がいいかもしれませんm(_ _“m)

Contents

会社員・個人事業主が社会保険料を安くする方法(概要)

ちなみにこの方法は、税理士YouTuber大河内さんの動画でも紹介されています(12:26~)

知ってる人は、知ってる方法です。

要約すると、「個人事業主を本業、会社員を副業にすると社会保険料は下がる」といった感じです。

  • 会社員
    →収入源は給料のみ
    →給料に社会保険料がかかる
  • 個人事業主
    →収入源は利益のみ
    →利益に社会保険料がかかる
  • 会社員 兼 個人事業主
    →収入源は給料と利益
    →給料(会社員)のみに社会保険料がかかる
    →利益(個人事業主)には社会保険料がかからない

会社員と個人事業主の方は収入全体に社会保険料がかかるのに対して、会社員兼個人事業主の方は収入のうち給料のみに社会保険料がかかるイメージです。

社会保険料の金額においては、後者の方が低いです。

極端にいうと、給料100万 + 利益1億 の場合でも、給料100万だけに社会保険料がかかり、利益1億の方はガッポリもらえます(注:社会保険料からは逃げられますが税金からは逃げられません)

その場合、総収入1億100万であっても社会保険料は月1万くらいです。

(´・ω・`)

厳密にいうと、標準報酬月額や社会保険料率などを使って社会保険料が決まります。他にも所得控除など…。上記はアバウトな説明なのでご注意ください

社会保険料は最大でいくら安くできるのか

タイトルで「“最大"約10万」と書いたように、社会保険料をいくら安くできるかは人によって異なります。

社会保険に加入できる最低ラインでいうと、保険料はおそらく1.5万前後です。

なので、簡単にまとめると「保険料を安くできる最大額 = 現在払っている保険料 - 1.5万」になります。

会社員の方であれば、下記が保険料の上限です(介護保険ありの場合)

  • 健康保険:月82,913円
  • 厚生年金:月56,730円
  • 合計  :月139,643円

「約14万 - 1.5万 = 12.5万」で、保険料を安くできる最大額は月12.5万円です。

個人事業主の方であれば、下記のとおりです。

  • 国民健康保険:月80,000円
  • 国民年金  :月16,540円
  • 合計    :月96,540円

「約9.7万 - 1.5万 = 8.2万」で、保険料を安くできる最大額は月8.2万円です。

※令和元年~2年の情報を基にしています。
⇒協会けんぽ:令和2年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
⇒厚生労働省:国民健康保険の保険料(税)の賦課(課税)限度額について
⇒日本年金機構:国民年金の保険料はいくらですか。

実際には社会保険料控除の金額も変わってきて、損得の判断がもう少しややこしくなりますが、それなりに大きな金額かと思います。

参考にしてみてくださいm(_ _“m)

社会保険料を安くする具体的な方法

ここまでの話を踏まえて、具体的にどうすれば社会保険料を安くできるのかまとめました。

現在の働き方によって、アクションが変わります。

共通するのは、会社員の給料よりも個人事業主の利益を増やすことです(割合の観点で)

  • 会社員の場合
    現在の仕事にかける時間を減らす(会社員のまま)
    他の仕事をはじめる(個人事業主として)
  • 個人事業主の場合
    取引先のうち1社と雇用契約を結ぶ(会社員として)
    他の仕事はそのまま続ける(個人事業主のまま)

会社員の場合

自分のときは正社員だったので、このルートです。

実体験をもとに説明します。

①雇用契約の内容について上司と相談

まずは、当時の上司と相談しました。

(´・ω・`)

自分

個人事業主として他の仕事をはじめたいのですが、いまの仕事も続けたいです。労働時間を減らすことはできますか?

(´-ω-`)

上司

う~ん、検討してみるわ…

ここでポイントになるのは、社会保険に加入できるギリギリのラインまで労働時間を減らし、個人事業主の仕事にあてる時間をできるだけ増やすことです(労働時間については後述します)

会社員の収入を限界まで下げる。

個人事業主の収入をできるだけ上げる。

会社員の収入のみに社会保険料がかかり、個人事業主の収入はそのまま(税金を除く)もらえるので、手取りを大きく増やすことができます。

②雇用契約の決定

交渉の結果、下記のような契約になりました。

  • 正社員から契約社員に変更した
  • 給料はかなり減った
  • 労働時間もかなり減った

就業規則などの関係で、フルタイムで働かないことにより正社員から契約社員に変更となりました。

終身雇用ではなく、1年ごとに契約を更新します。

給料はガクンと減りましたが、労働時間も減っているのでトントンといったところです。

下画像は給与明細で、赤枠で囲っている部分が社会保険料です。

契約変更前は合計3万円ほどだったので、半分くらいに減りました。

給料を上げない限りこの金額は変わらない = 社会保険料の上限が固定されている ことになり、個人事業主の利益が増えれば増えるほど旨みが大きくなります。

給与明細
⇒大きい画像を開く

③個人事業主の仕事を開始

ここまでの手順で社会保険料は減らせたので、あとは個人事業主の仕事をはじめるだけです。

これが一番ハードルが高いかもしれませんが…。

ブログ・YouTubeなどで稼いだり、フリーランスで企業から仕事をもらったり、人それぞれになるかと思います。

自分の場合は、フリーランスのシステムエンジニア・プログラマーという立場で活動をはじめました。

仮に個人事業の利益を10万とした場合、総収入が同じ20万でも手取りが1.5万ほど増えます

  • 会社員の給料20万のみ
    社会保険料3万
  • 会社員の給料10万 + 個人事業主の利益10万
    社会保険料1.5万(手取り1.5万増)

ただし、個人事業主として会社から仕事をもらう場合は、会社は社会保険料(労使折半分)や経費を負担しないので、報酬はその分だけ増える傾向にあります。

それを踏まえて、個人事業の利益を増やしたケースも見てみます。

  • 会社員の給料10万 + 個人事業主の利益30万
    社会保険料1.5万(増えない)
  • 会社員の給料10万 + 個人事業主の利益100万
    社会保険料1.5万(増えない)

上記のように、会社員の給料10万を固定している限りは社会保険料が上がることはなく、個人事業主の利益はいくら増えてもガッポリもらえます(税金はかかります)

自分はそこまで稼いでいる方ではないですが、手取りを増やす効果は大きく(十分に実感できるレベル)、生活はかなり楽になりました。

とは言っても、それなりにデメリットもあるので後ほど共有します。

(´・ω・`)

本来は個人事業主の利益にも社会保険料がかかっておかしくないですが、なぜかオマケされています

個人事業主の場合

個人事業主のケースについては、自分は経験しているわけではないので想像でまとめます。

ある程度は「会社員の場合」と共通すると思います。

①取引先のうち1社と雇用契約を結ぶ

継続的に仕事をしている取引先に、契約の切り替えを相談します。

下記のような感じになると思います。

(´・ω・`)

自分

請負契約ではなく雇用契約に切り替えて、社会保険に入れてもらいたいのですが…

(´-ω-`)

取引先

う~ん、検討してみるわ…

社会保険に加入するには規則的に毎月仕事することが必要なので、現時点でも毎月仕事している取引先がいいです。

また、社会保険料に加入できる最低ラインで仕事できる会社が理想。

フルタイムに近い条件で働くと、社会保険料を下げる効果は少なくなります。

②他の仕事はそのまま続ける

取引先のうち1社と雇用契約を結んだら、他の仕事はそのまま個人事業として続けます。

会社員の収入を限界まで下げる。

個人事業主の収入をできるだけ上げる。

このあたりの考え方は「会社員の場合」と同じなので、そちらを参照してみてくださいm(_ _“m)

社会保険料を安くする方法のメリット

ここまでは、社会保険料を安くする方法について書いてきました。

ここからは、そのメリットとデメリットをまとめます。

すべてを網羅しているわけではないので、他に気になることがあればググってみてください。

手取りが増える

これはそのままです。

社会保険料の支払いが少なくなるので、手元に残るお金が増えます。

給料を月10万まで減らした場合の社会保険料は1.5万ほどなので、いま支払っている金額と比べていただいて、その差額が手元に残ります(総収入を維持できれば)

社会保険料が上がらない

社会保険料が安くなるのはそのままですが、上がらないこともメリットです。

社会保険料は、会社員の給料を基準にして決まります。

必然的に、あえて給料を上げるようなことをしなければ社会保険料も上がりません

個人事業主の仕事に集中するとその利益は増えますが、これに対しては社会保険料がかかりません。

社会保険料がかかる給料を上げるよりも、保険料がかからない個人事業の利益を増やす方が、モチベーションの維持という観点でもよさそうです。

節税効果もある

個人事業主の方であれば、社会保険料が下がるだけでなく節税効果も期待できます。

給与収入を年100万とした場合、給与所得控除55万が差し引かれ、給与所得は45万まで減らせます。

なかなか大きいですよね。

税金について気にしない方はピンと来ないかもしれませんが、青色申告している方などはこのメリットを理解できるはずです。

⇒国税庁:No.1410 給与所得控除

会社員のステータスが手に入る

もともとが個人事業主の方であれば、会社員のステータスが手に入ります。

信用性はやはり違うと思います。

クレジットカードの審査や賃貸物件の契約などで、有利になるはずです。

国民健康保険から社会保険に変わる

これももともと個人事業主の方に限定される話ですが、国民健康保険から社会保険に切り替わることで、補償内容が手厚くなります。

厚生年金であれば、第三号被保険者。

健康保険であれば、傷病手当金など。

社会保険料を安くする方法のデメリット

ここまでメリットを見てきました。

次にデメリットに進みます。

厚生年金が少なくなる

もともと会社員の方であれば、厚生年金の掛金が減ることになるので老後の年金給付が少なくなります。

会社が支払う労使折半分も減るので、けっこう減ります。

増えた手取りを使い切らず、しっかり自分で積み立てることが大事になります。

自分の場合は、毎月の年金支給額が9万円くらいになる見込みです。

やはり厚生年金が少なくなりますね。

年金の試算は、⇒ねんきんネット にログインすると行えます。

年金試算
⇒大きい画像を開く

健康保険の補償内容が弱くなる

もともと会社員の方であれば、健康保険に支払うお金が減るため、補償内容がその分だけ悪くなります。

傷病手当金の支給額は給料に連動している(たしかそのはず…)ので、下がります。

労災保険や雇用保険も、下がるはずです。

小規模企業共済、iDeCoの加入

もともと個人事業主の方であれば、小規模企業共済に加入できなくなるため、月7万の所得控除を使えなくなります。

iDeCoについても、掛金上限が月2万前後になります。

個人的には、これがもっともダメージのあるデメリットですね…(´・ω・`)

社会保険料ゼロの収入を増やす方法(裏技)

この項は、仕事をガチガチの成果ベース(成果に対してお金をもらう)で考える人に向けた内容になっています。

時間ベース(労働時間に対してお金をもらう)で考える方にとっては、「ずるい」と感じる内容かもしれないので、読み飛ばしてくださいm(_ _“m)

※上記は、成果ベース・時間ベースの考え方で優劣がある…という趣旨ではありません。

社会保険料を下げるには、下記がコツだと書いてきました。

  • 会社員の収入を限界まで下げる(社会保険に加入できる条件で
  • 個人事業主の収入をできるだけ上げる

簡単にいうと、「会社員の仕事はできるだけ減らして個人事業主の仕事に集中する」ことになりますが、上記の「社会保険に加入できる条件で」がボトルネックです。

例えば、下記のような条件です。

  • 労働時間が週20時間以上
  • 賃金が月88,000円以上

※条件のうち一部を抜粋したものです。また、会社の規模により条件が変わります。

詳細は下ページ参照
⇒政府広報オンライン:パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。

「会社員の仕事はできるだけ減らす」と言っても、月80時間(週20時間を月単位に換算)は働かないと社会保険に加入できないわけですね。

では、本記事の方法を活用している人は、本当に月80時間も働いているのか…。

根拠はないのであくまで推測ですが、月80時間分の価値がある仕事をして、実際には80時間も働いていない人は一定数いると思います。

例えば、月80時間・給料10万の条件で働くAさんとBさんの二人がいて、それぞれの生産性が下記だったとします。

  • Aさんは、10万円分の仕事を80時間でこなす
  • Bさんは、10万円分の仕事を40時間でこなす

Bさんは10万円の仕事に対して80時間もらい、それを40時間で終わらせるので、残りの40時間はサボっていることになります。

しかし、AさんとBさんを雇う企業にとっては、成果ベースで考えると何も変わりません。

この考え方を応用すると、下記のような交渉が可能になるわけです。

(´・ω・`)

社会保険に加入できる条件は週20時間です。私は20時間分の仕事を10時間で終わらせます。会社側にとっては何も変わらないので、社会保険に加入させてもらえないでしょうか

「建前で労働時間は決まっているけど、給料は時間ではなく成果に対していただくものだ…」という考え方をする方であれば、ご理解いただけると思います。

建前では週20時間はたらいて社会保険に加入するが、実際には10時間しか働いておらず、余った10時間は個人事業にあてる…。

先ほどの「会社員の仕事はできるだけ減らして個人事業主の仕事に集中する」であり、個人事業の収入(社会保険料ゼロ)を増やすことができます。

ここまでやると違法な雰囲気が出てきますが、個人的には問題ないと思っています。

本質的には、勤務時間中にパチンコに通う営業さんとやっていることは変わらず、それは"サボり"であって"違法"ではありません(成果を出していれば、サボりもそこまで問題視されないはずです)

先ほどの交渉でも同じことです。

サボることを明言してる点は違いますが…。

念のために言いますが、自分はちゃんと働いています。「合法的にこういうことは普通にできそうだな…」という妄想です(´-ω-`)

社会保険料を安くする方法の今後…

この記事では、下記について書いてきました。

  • 個人事業主を本業、会社員を副業にすると社会保険料が下がる
  • 社会保険料を安くする方法
  • 社会保険料を下げるメリットとデメリット
  • 雇用契約を結ぶ際の交渉方法

社会保険制度の抜け穴と言えるかと思いますが、くれぐれも気をつけて頂きたいのは、すべての人にとってオススメできる方法ではないということです。

興味を持った方は、メリットとデメリットを十分に調べた上で活用してください。

この方法で一気に生活が楽になる人もいるはずですが、失敗すると生活が破綻してしまう人もいると思います(おそらく正社員を辞めないといけないので)

ちなみに、個人的な予想としては、いつかこの抜け穴はふさがれると考えています。

具体的にいうと、“総所得"に対して社会保険料がかかるようになるのかな…と。

(´・ω・`)

この記事だけでなく、他の人の意見もちゃんと調べた方がいいよ!自分は責任もてないので…。自己責任でお願いします